Mon journal 甘くて優しい日々のこと

何でもない日のフランスごはん



ブログでの告知が遅くなってしまいました。先月末なんでもない日のフランスごはんが発売となっています。
判型も小さく、手にすんなりと持ちやすい、とてもかわいらしい本になりました。
(オニオングラタンスープの写真をはがした内側もかわいいのです。)
自分がフランスで一人暮らしをしていたときに食べていたもの、好きなものをつらつらと。
なので使いやすさ、というのはどうなんだろう、、、と反省点も多いのですが。

ほとんどこの本のために作ったルセットはなく、普段我が家で食べてるものばかり。

試して作ってみて、むふーと気に入ったのはグレープフルーツと海老のタブレ。
本来ならばフランボワーズのビネガーを使いたかったのですが、
冷凍フランボワーズ(ラズベリー)のほうがお手軽かなと思って作ってみました。
(とはいえお菓子作りをしない人にはお手軽じゃないですよね。。すみません)
色合いも華やかで、グレープフルーツの少し苦みがある甘さと海老がよくあいます。

あとは今回の発明(?)はマロンマスタード。
パリのマイユでいろんなマスタードを味見しまくったとき、
栗マスタードがおいしくて、むりくり(栗だけに)似たようなものができないかと。
お手軽で私は気に入っていますが、これは好き嫌い分かれるかなあ。
クリスマスにローストチキンにあわせたい味です。

他におすすめは、おつまみ系のナッツ。いつでもうちでは大人気。すぐなくなります。
お菓子作りをして卵白が余っててナッツも微妙に余ってる!なんてときはこちらもぜひ作ってみてください。

本のレシピは、120%自分が好きな味だけを出せる訳でなく、趣味に走りすぎないよう、一般的に作りやすいかどうか気をつけながら、その範囲内で私の好きな味を、編集さんといろいろ相談しつつ、模索しつついつも作っております。

今回はちょっと制限が甘めだったので、今までの本ともまた違うかもしれません。
まだ本屋さんにあったら、ぜひ見て見てください。
 
| おしごといろいろ | 23:44 | - | - |
マフィンとカップケーキ



今月末、新刊が発売となります。 
マフィンとカップケーキの本です。
スコーンの姉妹版として、バターでもオイルでも私が作るもの、として
一番に頭に浮かんだのがマフィンとカップケーキ。

いろんな味の水分…果汁、ピュレ、紅茶、コーヒー、ヨーグルトなどなどが入るので
油分に頼らずとも、しっとりおいしい生地のお菓子になります。

私にとって身近なお菓子すぎて、何がベストか、突き詰めて考えたことがあまり無かったので、今回はとても勉強になりました。

ところで…日本のマフィン型はちょっと小さめ。
私の持っていたお気に入りのバターを使う濃厚タイプのマフィンレシピでは
卵2個で溢れて落ちそうになってしまいました。
(溢れるくらいの方が茸みたいで、かわいいといえばかわいいんですが)

といって、卵1と2分の1って面倒だしなあ。と卵2個はそのままで、
他の材料の分量をすこしずつ減らしたりして調節してみても
やっぱり最初のレシピがおいしい…!
どうして?どうして5gずつ減らすだけでこんなに味が違うのか!
とかなり迷走したのが、一番最初のバターのマフィンです。

お菓子作りでは、使う材料は同じでも、ちょっとした混ぜ方の違いや些細な分量の差がはっきり味の差になるんですよね。不思議で仕方なく、ひたすら焼いていました。
(しかしまったくをもって理系ではない私は、なぜ?の究明はしないで、あーなんでかわかんないけど、こっちのほうがおいしい〜。という感想で終わる。)


…で、結局7個分できてしまったわけなのですが、召し上がってもらったスタッフ皆さん、
6個分に調節していろいろ作った配合より、こっちの方が好き。とおっしゃったので…(モチロン私も!ということで…)こちらは7個でぜひ作ってみてください。
かなりしっかりバターの風味を感じられるマフィンです。

そして私が一番よく作るのは、ヨーグルト入りのマフィン。
こちらはバターの量は控えめで、軽く、食べやすい。
海外のホテルの朝ご飯で、あるとつい手にとってしまう、そんなマフィン。

基本だけでも話しだせばきりがないので、、好きなフレーバーについてはまた発売してからお話ししますね。

お菓子作り中級以上の方には、少しもの足りないのではと思っていたマフィンとカップケーキ。
私自身がどっぷり迷走したので、きっとオタク気質の上級者の人にも楽しんでいただけるのではと思います。
そして私のお気に入りの、でもそれぞれ違う配合のマフィンたちを楽しむうちに、自分の一番好きな「マフィンとカップケーキ」を作ってもらえるようになる、そんな本に仕上がっているといいなと願っております。




 
| おしごといろいろ | 11:51 | - | - |
オーブンレシピ増刷のおしらせ。


ここのところ、慣れないテレビの仕事と単行本撮影が固まっていて
ブログ更新がすっかり滞っておりました。。
発売1ヶ月で「簡単なのにごちそう。焼きっぱなしオーブンレシピ」の重版がかかり、そして一昨日3刷がきまりました。
ネットを中心に在庫切れを起こしていますが今週末には増刷分が回る予定出そう。
予約されている方はご不便おかけしますが、今しばらくお待ちください。

オーブン料理の企画が上がったのはまだ寒い3月でしたから、
くるりと季節が回り…これからがオーブン本番ですね。
この本について、少し思っていることを書こうと思います。

上下からじっくりと。遠火が得意なオーブン。
たっぷりの量のお肉を野菜と一緒にローストすることがフレンチやイタリアの家庭料理には多いでしょうか。私も昨年出したフレンチデリという本では、いろんな野菜を天板に乗せてじっくり焼き上げたお料理をご紹介しています。

ですが、今回はできるだけ時短で。材料も少なく、量も少なめに。
というオーダーだったので、すこし頭を悩ませました。
天板に直に材料をぱらぱらとのせると火の通りが一番早いですが
天板に油がついたりすると洗うのが面倒だし
お肉の匂いがついたらお菓子が焼くときに気になるし…(私だけ?)
2、3人分ならオーブンウェアを使ったほうがいいかなと今回はいろんな
耐熱容器が登場しています。
ホーローバットでもいいですし、グラタン皿みたいなものでも。
器の大きさは表記してありますが、融通は利きます。
ただ、小さめの容器に材料を重ねると、やはり火の通りが悪くなります。
時短を一番に考えるなら、直接火にあたる部分をきもち多めに。
食材同士は離して焼くほうが圧倒的に火の通りが早いです。
焼くものによっては、パリっとなり、おいしい。
(手羽先などは間隔をあけて焼いた方が私は好みです)
ですが、逆に言えば、乾燥しやすくぱさつきやすいということでもあります。
材料の入れ方はbefore写真を参考にしてもらえればと思います。

 
そして時間を短くする上でのもうひとつのコツ。
それは野菜の切り方です。
小さめ薄めにすれば火の通りは早くなりますが、
その他にも…例えば、鶏胸肉のお料理は、ブロッコリーを下ゆでするかわりに
茎に十時に切り込みを入れています。これは絶対に必要。
そして水分と一緒に加熱することで火の通りを
お肉と同時になるように考えてみました。
ブロッコリーから出る水分が蒸気となって胸肉のパサつきを防ぐ効果も狙っています。
時間はうちのガスオーブンとアシスタントさんとライターさんの電気オーブンで計り、やはりばらついたため、少し余裕を持たせたものが多いです。
様子を見つつ、ご自分のオーブンのクセを掴んでくださいね。



after


 
なじみのある調味料や食材の足し算引き算で加熱することで味が深まるレシピ。
メインとなる食材を決めて、それを引き立てる食材をプラス、なくてもいいものは引く。
できるだけ食材は少なく。。
いろんな食材を使う料理なら、その分、彩りも美しく食感もアクセントをいれたい。
お菓子作りと考え方は同じですが、料理本はお菓子に比べてレシピ数多めなので…
本の中での味かぶり、材料かぶりをできるだけ避けての70弱のレシピ、というのは
なかなか私には難しいお仕事でした。
(極端に好きな野菜があったりすると全部に入れてしまいたくなっちゃうんですよね…)


写真は、豚の薄切り肉を使ったロール。
時間がないときは薄切りを使うのがお手軽です。
お肉の量によって、2人用にも4人用にもできるのもラク!
しかもどこでもスーパーに行けば綺麗な薄切り肉が買えるの!日本ならではです。
お肉の間においしさの素をくるくるっと丸めて包んで、上にパン粉をちらしてさくさく感も+。

夏の撮影だったため、付け合わせは大好きな桃押しでいきましたが、これからの季節はりんご、洋梨、葡萄、いろいろな果物で試せると思います。なにげに缶詰の杏缶もおいしかったし、かわいかったです。果物の甘さはちょっと、、と思われる方はシンプルに玉ねぎだけ、というのも素敵です。(紫玉ねぎだと色も綺麗!)

ちなみに焼く前はこんな感じ。


肉汁のしみ込んだ野菜は、ビタミンの豊富な付け合わせでもあり、ソースがわりでもあり…
お料理が出来上がる頃にはお部屋もオーブンの熱で少し暖まる。
オーブン料理って本当に優秀だと思います。

作って食べて、笑顔になってくれてるといいな。
暖かい団らん風景を妄想しながら、にやにや、また新しいレシピを考える。

その道のりには、実はイマイチなのにカロリーばかり高い料理もあったりして。
年を追うごとに胃もたれは辛くなる一方ですが。
皆さんの分は私が太りましょう!(笑)

本の後書きにも記しましたが、
せっかくとっても便利な賢いオーブン。
皆さんの食生活を支えるベストフレンドとなってくれますように。

(画像はすべて「簡単なのにごちそう。焼きっぱなしオーブンレシピ」より。写真木村拓さん、スタイリング城素穂さんです。)

 
| おしごといろいろ | 11:20 | - | - |
簡単なのにごちそう。焼きっぱなしオーブンレシピ。


今週末発売となりますこちら。オーブン料理の本です。
はじまりは…
私が日々の食事にオーブンをよく使っている…と編集さんがききつけて、
やっぱりお菓子を作られてる方は、オーブンに抵抗ないんですねえ
→イヤーこんな便利な道具ないと思います。目を離しても、ちょっとやそっとじゃ焦げないし。
→おお!そういわれると…案外べんりなんですね!

というところからスタートしたのですが、…
なかなか難産でした。
オーブン料理は「じっくり長時間調理」に向いていると思ってたので、
レパートリーはそういうレシピが多かったんですよね。
ただ週末ならともかく、日々の食事に長時間調理は厳しい!でも宝の持ち腐れ感はあるので、オーブンも使ってみたい!と小さな男の子のお母さんでもある編集さんがおっしゃって、できたら20分くらいで作れないですか。とのオーダー。

最初は、それならフライパンの方が…などと思っていたんですが…
やはり上下均一に火が入るのがオーブンの良いところ。
やや高温でさっと短時間でも、いかんなくその魅力は発揮されたのでした。
もちろんじっくり時間をかけて焼くものもやっぱりおいしいから入れています〜!

おすすめ料理、たくさんあります。というかもう全てです。
黒酢マーマレード豚とか台湾豚とか、白桃と豚とか。(は…豚ばっかり。どうやら今日は豚気分らしいです私)
もう何回作ってるかかわからないです。

みんな大好きマヨネーズ味も、それだけだとお惣菜パンっぽい印象になりやすいので、ちょっとだけ味付けを+したり、、
このあたり気軽にぜひトライしてほしいです。

よくあう野菜を数種類あわせて一気に焼いているものが多いのですが
もちろん日常なら野菜は1種類でもかまわないのです。
逆に1品で気軽作れるように提案したもの…
例えば手羽先などは、下に野菜をたっぷり一緒に焼いてもおいしいです。

今回も本当に素敵なデザイン、写真、スタイリング。
ビニールカバーにプラスして、なんと最後別紙で観音開きのインデックスがついています。
ご、ごうか!!!!!


コレは実は…最後の最後にいろいろあって急遽作られたもの。
本当にラッキーでした☆見やすいしすごく素敵。

身近な食材を切って和えて焼くだけ。
なのにオーブンから熱々が出てきたら…それだけでちょっとしたごちそうに見えますよね。
これから寒くなる季節、皆様にもぜひ作ってもらいたいです。
私も脂とか水でべたべたにしながら、(ビニールカバーありがたい!)使っていくと思います。
(自分のレシピなのになぜ覚えないのか…)
 
| おしごといろいろ | 15:29 | - | - |
3分クッキングリベンジ。


もうそろそろ私の大好きな桃の季節が終わりますね。
写真は、おいしいクロワッサンをサクサクするまでリベイクして、うすくチェリーのジャムを塗り、
クレームパティシエール(カスタードクリーム)とクレームシャンティ(ホイップクリーム)をあわせて絞り
白桃を合わせたもの。色が変わっちゃうのでいそいでパクッ。

実は収録でクリームが大量にできてしまい、、どうしよう…とこんなおやつを作ってみました。

今日から2ヶ月間、土曜日のキユーピー3分クッキングにて、お菓子をご紹介してます。
前回、緊張で全然うまくできなくて落ち込んでいた私は、今回ご依頼をいただいたとき、またお仕事をくださったことへの感謝の想いと「今度こそ!」というなんだかわからない闘志のようなものが芽生え、がんばります!!と後先考えず口に出ていたのですが。

本当に本当に人前で話すのも、作るのも苦手なので、なんで引き受けちゃったかー!、日が近づくにつれ思い始め、いや!がんばらなくちゃという意気込みと緊張とでもう頭がぐるぐる。


初日の今日はシューでした。
でもね、初回の今回はどうしても日程のあわないアシスタントさんがいて
どうしよう、、友達に頼もうか…と悩んでいたら、
柳瀬久美子先生が、私やってあげましょうか?とおっしゃってくださり…
ええ、図々しくもお願い致しました。
百人力でした。

なので、ワタクシ、今週は大船に乗っていましたので、
もしかしたら来週からの方がテンパってるかもしれません。(いやテンパってる)
基本的に7分間流して作るのですが、それをスムーズにするために、差し替え差し替えの連続。
そのタイミングを計るアシスタントさんたちも大変だと思うのですが
私は私で、綺麗にボウルをもたもた拭ってる時間がないかも…!とか、ここあんまり混ぜたら時間ないかも…!とか、とにかく焦りがち。
そして、わー時間が逆に余ったー!なにかしゃべらないとー!となってそれはそれはたいへんだったり。

まあ要するに全然慣れていません。(汗)

しかも自分でいうのもなんですが、なんかふてぶてしいんですよねえ。
心臓ばくばくしてるのに全然見えない。
これって得なんでしょうか?損なのでしょうか。(かわいくないから損な気が)

そんなわけで、見ていただきたいような、いただきたくないような…
でもお菓子はとてもおいしくできたので、ぜひ作っていただきたいです。

今日の放映は、シューの生地を作ってアイスに。
事後報告となってしまいましたが
動画は一週間、ネットで見ることができます。
http://www.ntv.co.jp/3min/


冒頭の写真のクリームは来週土曜日の放映となります。
来週はシューにつめて完成としてますが、クリームだけでも贅沢な味わい。
クロワッサンに挟むこんなおやつもおすすめです。









 
| おしごといろいろ | 20:16 | - | - |
パウンド型ひとつで作るたくさんのケーク
 

少し涼しくなってきましたね。
私はちょっと早めに夏休みを取って参りました。
追って食べ物などまたブログに載せたいとおもいつつ、
帰国して、さあ仕事をがんばろうと思った矢先に、嬉しいお知らせです。
「パウンド型ひとつで作るたくさんのケーク」
10刷が決定しました。
2009年末に出版されたので、そろそろ6年を迎えようとしているのですが
未だに、少ーしずつでも売れているのかと思うと本当に嬉しいです。
「作りました。」「リピートしてます。」のメッセージもたくさんいただいています。
 
私のレシピは入り口にすぎなくて、きっともう作った人それぞれの「味」になっているのではないかなと想像すると、
とても嬉しく幸せな気持ちになります。
 
写真を拝見するとどれもこれもおいしそうで、
皆さんのケークを味見にしにいきたいなあ…と切実に思っています。(笑)
 
バターが不足したり高くなったり、焼き時間がかかったり…と
お菓子作りは、普段の生活にちょっと余裕が無いとできないこと、ですよね。
でもだからこそ、嗜好品であるお菓子を、市販ではなく、
自分の目で選んだ材料で、自分の好きな味を作れたら、とても楽しいし豊かな気持ちになれると思うのです。
 
そういう楽しさを見つけるきっかけに、この本がなっていたとしたら、
本当にこんな幸せなことは無いと思います。


章扉の、布を感じさせるあたたかみのある質感は、私の一番のお気に入り。
 
今でもページをめくると、おいしそう。と自分で思い、嬉しくなります。
自画自賛というよりは、私のケークを、スタイリング、写真、デザイン、
全てが引き立ててながら、ぴたっとはまり、一冊の本という世界になっている、
いつ開いても、そこにその世界がある、という安心感に近いものかもしれません。
 
これからもずっとひっそりと皆様のそばに置いていただけますように。
そしてこれからも、このパウンド本のように愛される本を、レシピを作っていけますように。
 
☆最近のお仕事のご報告☆
3分クッキング9月号では、「作ってみたい!人気のあのお菓子」を担当しています。
今発売中のマリソルで旅のお供のおすすめを
レタスクラブでは朝ご飯のお取り寄せのおすすめをしています。本屋さんでチラ見してもらえると嬉しいです♪
| おしごといろいろ | 15:04 | - | - |
朝ごはんの本



今月23日に発売されました朝ご飯の本。「ごきげん朝ごはん」
カメラ結城剛太さん スタイリング岩崎牧子さん そしてデザインはレスパースの若山嘉代子さんです。
(若山さんのデザインはいつも背表紙が素敵なので背表紙も写真に入れたものでご紹介)

朝、なにがあると起きる気になるかなあ。朝だから許されるものもあるよねえ。
などと食いしん坊のライターさんと編集さんと妄想しながら作った本です。
こんなのとか☆↓



バター大好き、糖質大好き!な私ですから、これまた時代と逆走する本になるのでは
と自分でヒヤヒヤしていたものの、いざ食べたいもの。。。とメニュー出しをしてみると
年のせいでしょうか、起きてすぐ濃厚なものが食べたくなることは実はそこまで多くはなく。。
しかも朝起きてから、なんやかんや準備するのは面倒(その分寝てたいし)
などと考えはじめ、意外にもバランスがよいのでは?案外ヘルシーだったかもしれませんよ若山さん!
とおっしゃっていただけたのですが、どうでしょうか?

ですが、表紙になった食パンはベーコンと一緒に炒めてベーコンの脂をきっちりキャッチしてしまう一品。
ブリアサヴァランの「美味礼賛」だったか(うろ覚え)、
お金のないフランス人たちが宿でバケットだけ買い、ロースターの下にバケットを置き、イギリス人たちの夕食である肉にぷすぷす穴をさし…肉汁と脂をたっぷり吸収されたバケットを食しながら、高いお金をだして抜け殻となった肉を喜んで食べているイギリス人を嘲笑するという話(ヒドイ)がありますが、お肉はなんといっても脂と肉汁ですからね!
うまみを吸収した炭水化物のおいしさといったら。(あ、ジャガイモもおいしいですよね〜)
そこに一緒に焼いてすこしキャラメリゼされ絞りやすくなったレモンをきゅっと絞って
酸味とほろ苦さをプラスして、すこーしメープルシロップも足してしまった朝ご飯です。

ああ。おいしいベーコンが食べたくなってきました。

そんな欲望の詰まった朝ご飯の本です。

(あ、野菜のスープとかフルーツ、ものもあります!!!ヘルシー編は次回)
 
| おしごといろいろ | 14:57 | - | - |
ポップオーバー&アイスクリーム&増刷のお知らせ



暑いですね…。食欲が衰えればいいのですが、そうでもなくむしろ私、
糖分補給に余念がありません。

こちらは冷凍庫に入れておいたポップオーバーをトースターでかりっとさせて
アイスクリーム、チョコレートソース。


小豆アイスもおいしいです。抹茶ポップーオーバーだと苦みがまたいい感じです。

シンプルな配合のポップオーバー、もちもちでおいしいのだけど、外側も今の季節、
湿気でふにゃんとなりがちかもしれません。
トースターでリベイクするとサクサクになるのでおすすめです。

「はじめてのポップオーバーBOOK」発売して今日でちょうど一ヶ月ですが
先週増刷が決定致しました。

書店からそろそろ姿が見えなくなった頃かなと思っていたので嬉しいかぎり。
ご購入くださった皆様ありがとうございます。

そろそろ夏休み、ぜひお子さんと一緒に作ってもらえたらなあと思います。

ディップとかアイスとか、市販のものでもかまわないので、いろいろ用意して
皆で焼いて食べるパーティとかも楽しいかもしれません。
もくもく膨らむ姿は見ていてなぜかウキウキするし、好きなものを好きなだけポップオーバーにつめる作業
も、盛り上がりそうな気がします。

まあ…オーブンを使うってのがちょっとおっくうな季節ではありますが。
みなさんもぜひ☆







 
| おしごといろいろ | 18:10 | - | - |
ポップオーバー

6月13日に発売された「はじめてのポップオーバーBOOK」
写真新居明子さん スタイリング中里真理子さん
新居さんは、この仕事を始めてほとんど最初の撮影で一冊ご一緒して以来、今回が2回目。久々でとても嬉しかったです。
誌面は賑やかなデザインですが、写真自体は中里さんのスタイリングと相まって、少し大人っぽいクール系アメリカンな感じ。新居さん&中里さんのお人柄がでてるのかな。颯爽としたかっこいい女性のイメージです。




ポップオーバー。
この不思議なクイックブレッドは大学生時代、洋書を見て作ったのが初めてでした。
 
お菓子やパンを作るとき、失敗の一番は「膨らまない」こと。
ふんわり膨らませるために、メレンゲをたてたり、さっくり混ぜたり。。
それなのに、ぷくっと膨らんだポップオーバーの写真の横には英文で
「しっかりぐるぐる混ぜる」とありました。
見まちがい…?
だって粉ってものは、加えたらさっくり混ぜないといけないんじゃない!?
…しっかり混ぜたら膨らまないのでは???
 
そのときは、本当に何か私の知らない英語の比喩表現なのかと思ったほどです。
だから半信半疑でぐるぐるとまぜあわせ、生地がぷーっと膨らんだときはびっくり。
その後、数年前ハワイのBLTの巨大なチーズポップオーバーがおいしかったのでまた私の中でブームに。
雑誌のハワイ特集でも一度レシピをご紹介しました。



今ではすっかりブランチの定番アイテムになっていたので、
「ブームになるかもと思うんです!簡単だし、なによりおいしいし!」
と勢いよくおっしゃる編集さんに「い、いま?」と一瞬思ったのですが、そういえば食べられるとこってあまりない。
今でもたまに私が日常で作っている、=手軽でおいしい。ということですし、まだあまり知られていないなら、ぜひご紹介したいと思いお引き受けした次第。

このお菓子、というかクイックブレッド、ラフに作ってラフに食べるのがおいしいと思います。膨らむための材料は…
粉も強力でも薄力でもかまいませんし(本の中では一般家庭に普通にある薄力粉に統一しています。)牛乳は豆乳でも、バターはオイルでもかまいません。


コツはしっかり混ぜること、最初の火入れを高温にすること、その後こげない程度に
しっかり乾燥焼きさせることでしょうか。

ところで、なぜ混ぜるだけで、このクレープみたいな生地がこんなに大きく膨らむのか、私はいまだにさっぱりわかりません。
熱が加わることで何の成分がどうなったらああなるのか、
どなたか科学的にご説明できるかたがいないかなあ。(他力本願)
と思いながら、作るといつもオーブンに張り付いて膨らむ姿を眺めています。
本当に「ポップオーバー劇場。」と言った感じに劇的に膨らむのが楽しいのです。

この本の中での私のリピートアイテムはストロベリーバター。
デザートは混ぜるだけのふわっとしたレアチーズをよく作っています。

そして何にでも合わせやすいということで、スープカテゴリーにはこの冬、自分がはまっていたレモンスープのレシピもいれてみました。とろみが優しくて寒い時期もおいしいけれど、きゅっと酸っぱいのでこれからの季節にもいいと思います。

翌日食べるときは少し柔らかくなっているのでトースターで焼くとさくっとします。
グラタン系は翌日以降もおいしく食べられるのでおすすめ。


あとは…ファラフェル。通常ピタパンと合わせるものですが、もちっさくっとしたポップオーバーにはさんで食べると、おいしい!これは発見でした!揚げものはやや面倒ではありますが、その価値あり。
ヴェジタリアンメニューなのにコクがあるので、女友達の集まりには必ず喜ばれる♪
(逆を言うと男性にはなぜかイマイチ受けがよくない気も 笑)
 
ポップオーバーはいつも食べてるお菓子より、もっとフレンドリー。
どんなものにも合わせやすく、誰からも好かれる食べ物の一つではないかなと思います。
膨らんだら、成功!その後のアレンジは、お好きなものと一緒に…つけていいし、はさんでもいいし、中に詰めてもいい。食べ方もご自由に。という、懐の広いクィックブレッド。
日本ではまだ召し上がる機会もあまり無いですし、本当にぐるぐると混ぜるだけなので
家で作ってみる価値があるものだと思います☆

ところで。
私は、スタッフ全員が私の作ったものを実際に食べ味を知る、そしておいしいという気持ちを共有すること。
それが「よい本」を作る上で大前提だと思っているのですが
もう一つ、撮影スタッフ(特に最後までおつきあいくださる編集さん)が実際に発売までに自ら作ってくださる回数が多ければ多いほど、よい本になってる。というジンクスが…。
ポップオーバーブックはその意味でかなり上位です。(笑)
 
| おしごといろいろ | 01:26 | - | - |
おやつのもと

写真馬場わかなさん、スタイリング城素穂さん デザイン福間優子さん。
河出書房新社さんから22日に発売となります。「おやつのもと」

ずいぶんとご無沙汰していました。ブログアップ。
なんだか新しいフォーマットになってから、すっごくめんどうで!(オバサン。)
そんなこんなで2月撮影していた本が、もうすぐ発売になってしまいます(汗

純粋にお菓子の本。
私のお菓子の本は甘くないレシピも、必ず少し入れているので
(パウンド本もケークサレ、天板もタルトフランベ、パンケーキやスコーンもそうですね)
オンリースイーツ。久しぶりです。
撮影の間、私って本当に甘いものが好きなんだなとつくづく思いました。
ある種の諦めというか、悟りというか(笑)

この本は、「我が家のおやつ」が、スタートでした。
基本引きこもりのお仕事なので、打ち合わせ、または友人と会うとき、などなど人を我が家に招くことが多いのですが、
そんなときは「おやつ」をお出しします。
お越しいただく手前、やっぱり美味しいもの出したいので、なんか作ります。
(職業柄そこは暗に要求されている気もしなくもない。)
でも、そのためには、ほとんど時間かけてないんですよね。

なぜなら、なんかしら「おやつのもと」になるものが冷蔵庫なり冷凍庫にあり、
それをアレンジしてるだけだから。

例えばりんごのシロップ煮がある。
最近いつも朝ご飯にヨーグルトに乗せて食べてるもの。
あれを、真夏なら前の日に凍らしておいてグラニテにしてお出ししよう。
寒い日なら、上にクリームのせて焼いてみよう。
と、思う。



そんな風に気軽に手作りのおやつは作れるんだよー。とご提案する本があればいいね。という企画だったのですが、これが本当に難しかったです。

おやつのもと、を一度作って、そこから更に手を加えないと食べられない、二度手間に見えないかなあとか。
数ヶ月、いろいろいろいろ本当にデザイナーさんと編集さんと悩みました。
もしかしたら意図が伝わらないまま、本屋さんの棚にひっそりとしまわれているかもしれません。


すぐ作れる!というものだけじゃなくて、
難しくはないんだけど、すこし時間がかかるものもあります。
でも私にはその価値があると思える「美味しさ」のあるものです。

例えばこのババロアは定期的に食べたくなるけれど、えいやっと腰を上げないと作る気がしない代物です。(笑)
別に難しくないのですけどね。ワンボウルで作る手軽さないし、冷やす時間もかかる。
でも久々に作ると、やっぱりおいしいなあ。とひとすくいひとすくい味わって食べてしまいます。

料理本の制作に携わって数年。
最初は本を出すこと自体が嬉しくて、なにかの記念メダルのような存在だった著作が、しだいに、本の向こう側…読者の方々に贈るプレゼントのような存在になってきました。しかもお金を出させるもの。しかも知らない人に!
どうしたら作りやすい?どうしたら目を引く?どういうものがおいしいと思ってもらえる?
どうしたら…

「どうしたら多くの人に気に入ってもらえる?」
当たり前ですが、そこがスタート地点。
売る、ということは、最大公約数の好みを意識する。ということでもあります。

ですが、今回は、本を受け取る読者を、「売る」ということを、敢えてあまり意識しないで、作らせてもらった気がします。
私の好きな、いつも作ってるもの。私の食べたいものだけ。
それを「ね、食べてみてー!わたしすごい好きなんだけどどう??」と皆さんに食べてほしいだけ。
そしてすごーく好みのスタイリングとデザインと、写真!見て見て見て!という…
今回は…ちょっと独りよがりかもしれません。(笑)

でもでも、自分の手で作ったものを食べる楽しさが伝わればいいなという想いは、いつも変わりません。
皆さんに手に取って、あ、かわいい!おいしそう!と家につれて帰ってもらえますように。
そしてさらに贅沢言うならば…
作って食べて、気に入ってくださるといいなあ。

 
| おしごといろいろ | 18:32 | - | - |